報恩講
11月は都内の各寺院で報恩講が続々と厳修されます。
報恩講とは、「報恩」という字の通り、恩に報いるという意味です。
浄土真宗の宗祖である、親鸞聖人の教えに出遇わせていただいた、という恩であり、親鸞聖人のご命日のお参りでもあり、各寺で年間最大の行事です。
私の石川県の実家でも、先月、報恩講が勤まりました。私の地元では報恩講を「ほんこさん」と言われ、とても親しまれています。
報恩講の2日目のお昼は、門徒さんが一生懸命作られた煮物などをみなさんと一緒に、東京で学んだことなどを話しながら、食事をいただきました。
門徒さんとお話しをする機会が、この時ぐらいしかないので、自分の中でも本当に大切な機会、そして、無くてはならない場とも言えます。その後の最後の法要では、内陣と外陣に僧侶が出仕し、お勤めを行いました。また、登高座という作法も行われました。門徒さんも、一緒にお勤めをし、その後の講師の話しに熱心に耳を傾けていました。
当寺でも11月4日に報恩講が厳修されました。午前と午後の2座、お勤めが厳修され、午後の法要では、近隣の大谷派寺院の僧侶が内陣と外陣に出仕し、当寺に御縁を持たれている方、納骨堂に納骨されている方々の親族など、多くの方とともにお勤めをいたしました。
その後、港区・了善寺住職の百々海(どどみ)師から法話をいただき、参詣された方々は、講師の話に、時には深く頷かれている方も見られました。
来年は11月3日の午後と、翌4日の午前、午後の3座、お勤めがあがります。ぜひ、予定のつくかたは、お参りください。
本山、東本願寺でも、毎年11月21日から親鸞聖人のご命日である11月28日まで、7日間、お勤めがあります。特に最終日である、28日には、坂東曲(ばんどうぶし)という、鎌倉時代から伝わる、たくさんの僧侶が外陣に揃い、体全身を使って、とても迫力がある、お勤めがあがります。
以前は、他でも見ることが出来たのですが、現在、この坂東曲が見られるのは、東本願寺のみです。この日には、朝早い方は、この迫力のある坂東曲を出来るだけ近くで見るため、午前4時ごろから開門を待って並ばれる方もいます。開門は午前5時ですが、朝一番のお勤めは午前7時からのあので、長い方は3時間も待つことになりますが、やはり多くの方は坂東曲が見たい方で、満堂(本堂がいっぱい)になります。
もし、お時間があるようでしたら、ぜひ、一度、東本願寺にもお参りください。